気候変動と「紛争リスク」
異常気象を「武器化」する時代
2026年9月号特別リポート
今年の夏も記録的な猛暑が世界を襲った。特に欧州では、40度を超す熱波で3万5千人以上が亡くなった。気候変動はいまや社会、経済が連鎖的に機能不全を起こす最大の脅威(システミック・リスク)だ。紛争や内戦を引き起こし、それが気候変動をさらに深刻化させる要因にもなっている。
熱膨張を起こした線路がねじ曲がり、車両が脱線。エアコンのない地下鉄はサウナのような暑さで命の危険を伴う―。
観測史上最も暑い6月だった英国では、鉄道機関が大きな影響を受け、遅れや運休が相次いだ。ロンドンの地下鉄でエアコンを装備している車両は、地上部分を走る路線など約4割にとどまる。
地下深く走る歴史的な路線(ディープ・チューブ)の一部ではエアコン付きの新型車両が今年12月からようやく導入される予定だ。最も暑い路線として知られるセントラル線では今年、車内温度が39・4度に達した。
日本でも、地下鉄で唯一冷房装置を持たない札幌市営地下鉄で暑さに対する苦情が相次いだ。
熱波や不審火が原因とみられる山火事の被害も深刻だ。今年に入って欧・・・









