本に遇う 第321話
創刊の志は古びない
河谷 史夫
2026年10月号
新聞や雑誌はこんにち「オールドメディア」と見下げられ、「オールド」はすっかり蔑称になったようだから、「オールドは憧れだったんだぜ」などと言っても、若い人には通じまい。
ただしウイスキーの話だ。学生のときはトリスだった。勤め人になってレッドになった。それからホワイト、角と上がり、オールドになる日を待つ呑み助も多かったのである。黒いボトルのオールドは愛称が「だるま」で、外からは中身の量が見えなかった。
高級料亭や会員制クラブは赤提灯組の記者風情には高嶺の花で、中の模様は知る由もないが、戦後復興のころは、銀座で一、二を争う店に行く記者や編集者がいた。新聞も雑誌も「古き、良き時代」だったかも知れない。
朝日新聞の編集局長から一記者に降りて、犀利な観察と絶妙自在の文章で『外国拝見』や『ソ連拝見』を書いた門田勲の回想によると、銀座を代表する「エスポワール」には美人が多かったらしい。そこに毎晩のように現れる文藝春秋編集長の池島信平と毎晩のように出くわしたそうである。
つまり門田も毎晩のように現れていた勘定になるが、若い連中を引き連れ大盤振る舞いしてい・・・
ただしウイスキーの話だ。学生のときはトリスだった。勤め人になってレッドになった。それからホワイト、角と上がり、オールドになる日を待つ呑み助も多かったのである。黒いボトルのオールドは愛称が「だるま」で、外からは中身の量が見えなかった。
高級料亭や会員制クラブは赤提灯組の記者風情には高嶺の花で、中の模様は知る由もないが、戦後復興のころは、銀座で一、二を争う店に行く記者や編集者がいた。新聞も雑誌も「古き、良き時代」だったかも知れない。
朝日新聞の編集局長から一記者に降りて、犀利な観察と絶妙自在の文章で『外国拝見』や『ソ連拝見』を書いた門田勲の回想によると、銀座を代表する「エスポワール」には美人が多かったらしい。そこに毎晩のように現れる文藝春秋編集長の池島信平と毎晩のように出くわしたそうである。
つまり門田も毎晩のように現れていた勘定になるが、若い連中を引き連れ大盤振る舞いしてい・・・









