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フランスで消えゆく「平等と寛容」

極端な政治と長い停滞の時代に

2026年11月号

 フランスで若者が教育予算拡充を求めたデモは、大規模な破壊と略奪の場に変わった。かつてのフランスであれば、若者の抗議行動は街頭の花。路上から煙が立ち上ってからが本番。民衆の代表者と政府が対等な立場でテーブルにつき、条件闘争が始まる。だが、10月に山場を迎えた抗議行動は略奪者を招き、治安部隊との衝突は大統領府(エリゼ宮)まで300mに迫った。寛容さを失い、変質するフランスからは、成熟した民主主義社会の象徴だったデモが消えゆく未来が見える。
 パリの路上で高校生が学校をバリケード封鎖し、労働組合が加勢したデモの嵐が吹き始めたのは9月末のこと。マクロン大統領から処理を一任されたルコルニュ首相は、最初から対応を誤っていた。記者会見を内務省に設定し、ヌニェス内相を対応の前面に立たせ、治安対策優先の姿勢を露わにした。本来、学生との交渉相手として先頭に立たせるべき教育相は陰に隠した。
 フランスの国是である「平等」は、要求する者と応答する者が対等であることを保障する。「尊厳ある」学習環境を求める学生の訴えは、若者の苦労が美徳となる日本に置き換えると少々高い要求に感じることもある。・・・

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