テイレシアスの食卓 vol.44
「味わいの庭」が遺したもの
河井 健司
2026年11月号
東京都中央卸売市場へ買い出しに行くようになって久しい。帰国してから定期的に通い始めて、かれこれ20年ほどたつ。その間、市場の景色はずいぶん変わり、場内を巡っている途中で、知り合いにばったり会うことも少なくなった。そもそも、買い付けに来る料理人の数自体が減っている。交通の不便な豊洲への移転に加えて、コロナ禍が追い打ちをかけ、市場に姿を見せなくなった人たちは多い。
もっとも、もとより拘束時間が長い料理の世界で、労働環境の改善を考えた場合、料理人の市場離れは自然な流れといえる。自店舗の近所を見渡してみると、高級なことで知られる鮨屋でさえ、魚介類の納品は仲卸業者に頼むようになってきた。
時代の変化にともない飲食店を取り巻く状況は変わる。それでも、頑固に市場通いを欠かさず、還暦を過ぎてなお厨房に立ち続けるオーナーシェフは意外と多い。こういった大先輩たちのなかには、アクの強い人もいる。
ゆりかもめに揺られて市場前駅に着くと、まずは魚介類の売り場へ直行すると決めている。そのあと、駅に近い野菜売り場で品物を見る。こうすると買い回りに都合がいい。ただし、野菜売り場で・・・
もっとも、もとより拘束時間が長い料理の世界で、労働環境の改善を考えた場合、料理人の市場離れは自然な流れといえる。自店舗の近所を見渡してみると、高級なことで知られる鮨屋でさえ、魚介類の納品は仲卸業者に頼むようになってきた。
時代の変化にともない飲食店を取り巻く状況は変わる。それでも、頑固に市場通いを欠かさず、還暦を過ぎてなお厨房に立ち続けるオーナーシェフは意外と多い。こういった大先輩たちのなかには、アクの強い人もいる。
ゆりかもめに揺られて市場前駅に着くと、まずは魚介類の売り場へ直行すると決めている。そのあと、駅に近い野菜売り場で品物を見る。こうすると買い回りに都合がいい。ただし、野菜売り場で・・・









