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社会・文化

《日本のサンクチュアリ》「法螺吹き」気象庁

誰も責任取らない「技官の園」

2010年4月号

 天気予報が当たらない。今に始まったことではないが、週間予報は言うに及ばず、翌日の天気すら平気で外れる。
 気象庁は自らが発表した予報について、検証を加え「予報的中率(気象庁は「適中」と表記)」を公表している。
 二〇〇九年の年間全国平均をみると、朝五時発表の予報で、翌日の降水(一ミリ以上・以下同)の有無についての的中率は八三%だ。「降水あり」と予報した場合に限ると、その確率は七七%に落ちる。
 毎日昼の十一時に発表される週間予報の場合、一週間後の降水の有無について六九%。「降水あり」の予報は六〇%しか当たらない。
 月や、地域によってばらつきがあり、例えば昨年の七月(全国平均)、一週間後に「降水あり」と予報し、実際に雨が降ったケースは四七%しかなかった。冗談のようだが、これなら下駄を投げて天気を占っても大した差がないことになる。
 

株価にまで影響するというのに


 この状況は一カ月や三カ月の長期予報になるとさらに無惨なものになる。三カ月予報の場合、降水量や気温が・・・