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政治

「SNS選挙」その脆さと落とし穴

都議選が示した勝敗の分かれ道

2025年7月号

 参院選(7月20日投開票)の前哨戦と位置付けられた東京都議選(6月22日同)は、自民党の惨敗に衝撃が走った。陰で注目されたのは、SNS(ネット交流サービス)選挙の行方だ。X(旧ツイッター)への投稿やユーチューブなど動画投稿サイトといったSNS情報は、今や選挙において、新聞と並ぶ主要な情報源になっている。
 ネット選挙は世界的すう勢だが、日本でも昨年、番狂わせが相次いだ。前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏が躍り出た東京都知事選(7月)、国民民主が玉木雄一郎代表の「ネットどぶ板」戦術で議席を4倍に増やした衆院選(10月)、兵庫県の齋藤元彦知事が予想に反して再選された出直し選挙(11月)。いずれもSNSが猛威を振るい、「インターネット選挙運動解禁から11年後に迎えたSNS選挙元年か」と関心が高まった。
 都議選は、石丸氏が創設した地域政党・再生の道と国民民主という「SNS政党」の両雄が、多くの候補者を立てて直接対決した実験場でもあった。結果は、国民民主が初の議席を獲得し、それも9人当選を果たしたのに対し、再生の道は42人の候補者全員が落選。くっきり明暗を分けた。何がそれぞ・・・

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