三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

WORLD

「ジャングル」と化す世界

「帝国主義」に戻るトランプ時代

2026年2月号特別リポート

「一つの妖怪が、ヨーロッパを徘徊している。共産主義という妖怪が」……。『共産党宣言』の冒頭で、旧来の権力者たちの思いをこう描いたマルクスとエンゲルスが今の欧州、世界を見たら、どう思うだろうか。超大国として国際秩序作りの先頭に立っていた米国が、大統領トランプ氏によって、第2次世界大戦後に築き上げてきた国際秩序を根底から崩そうとしている。彼が目指す新たな秩序とは何か。多国間の協調、同盟を基軸とした安全保障や、国際法などを無視し、自身とその取り巻きが世界に君臨し続ける個人独裁にほかならない。21世紀に登場した新たな「妖怪」に、世界はどう向き合おうとしているのか。

弱者が耐え忍ぶ「新しい現実」

「本日私は、世界秩序の断絶、美しい物語の終焉、そして大国間の世界秩序が一切の制約を受けない残酷な現実の始まりについて話します」
 スイス・ダボスで1月に開かれた世界経済フォーラム(ダボ
ス会議)年次総会で講演したカナダのカーニー首相は、自国がこれまで恩恵を受けてきた「ルールに基づ・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます