三万人のための情報誌 選択出版

書店では手に入らない、月刊総合情報誌会員だけが読める月刊総合情報誌

WORLD

イランが「停戦合意」した理由

「水問題」という国家存亡の危機

2026年7月号

 米国とイランが、戦闘終結でとりあえずの合意に達した。革命防衛隊が主導権を握る体制となったイランが、なぜ米国との合意に突然踏み切ったのか。その背景には、合意文書に盛り込まれた条件だけでない、イランが置かれた切迫した国内事情も影響していた。
 合意内容は、イラン側にとってきわめて有利に映った。米国と湾岸地域のパートナー国は、イランの復興と経済開発に向け、少なくとも3千億㌦、約48兆円規模の支援を拠出する。また、覚書の署名直後から正式な制裁解除までの移行期間についても、米財務省はイラン産原油や石油製品、その派生品の輸出に加え、銀行取引、保険、輸送など一連の関連サービスを制裁の適用対象から除外する方針だ。
 この経済的な誘因の大きさは、戦時下でイランが被った損失と照らせば、より鮮明になる。米ワシントンのシンクタンク、民主主義防衛財団(FDD)のシニアフェロー、ミアド・マレキ氏は今年4月13日、米国によるイラン港湾の海上封鎖とホルムズ海峡の航行制限によって、イランでは1日あたり約4億3500万㌦の経済活動が失われると試算した。月額に換算すれば、およそ130億㌦に達する。  ・・・

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます