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連載

金融の世紀

第47回【ノーベル賞に輝いた最高峰の頭脳】
黒木 亮

2026年11月号

 金融史上、近代と現代の分水嶺といっても過言ではなく、1997年のノーベル経済学賞に輝いたのが、ブラック-ショールズ・モデルとダイナミック・ヘッジである。考案者は、当時ボストンの金融コンサルタントだったフィッシャー・ブラックと、MIT(マサチューセッツ工科大学)スローン経営大学院准教授、マイロン・ショールズの2人だった。
 ほぼ同時に、MITスローン経営大学院でショールズの同僚だった准教授、ロバート・マートンが、ブラック-ショールズ・モデルを数学的に立証した。
 興味と問題意識を共有する3人の英才が、68年9月から、MITの所在地であるボストンに揃っていたことで、ブラック-ショールズ・モデルとダイナミック・ヘッジは、各人の論文発表の3年前の70年に誕生した。
 3人の中で一番年長のブラックは、70年当時、32歳だった。痩せて背が高く、額が4割くらいを占める若干アンバランスな顔に眼鏡をかけ、いつも困ったような笑みを浮かべていたが、飛び抜けた発想力と研究への異様なエネルギーの持ち主だった。
 38年、ワシントンDCのジョージタウン地区で生まれ、父親は・・・

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