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正念場を迎えたオリックス「平成の政商」に陰りくっきり【情報カプセル】

 規制緩和とバブルを追い風に急膨張してきたオリックス。その二つの追い風が逆風に変わるなか、大掛かりな金融支援、さらにはドラスティックなグループ解体まで視野に入れたソフトランディング案がささやかれるほど、その経営危機は深刻の度を増している。

「オリックスはいまやリース会社というよりも、高レバレッジ経営の・投資銀行"の色彩が濃い」(外資系証券幹部)。たしかにここ数年、証券化ビジネスや金融、不動産、再生ビジネスなどへの多額の投融資に邁進してきた姿は、リーマン・ブラザーズなど投資銀行のそれと見事なまでに重なる。そうであれば米投資銀行同様、レバレッジビジネス崩壊のダメージが及ばないはずはない。景気の急減速、金融不安が渦巻くなかにあって、オリックスの経営問題が浮上するのも頷ける。

 同社の経営リスクは、「過剰債務」と「投融資先のクオリティ」に集約される。二〇〇八年九月末時点の単体ベースの借入金は約二兆四千億円と、十年余りで一兆円以上増加。借入先にはみずほコーポレート銀行の約二千億円、住友信託銀行の約一千八百億円、三井住友銀行の約一千八百億円などを筆頭にメガバンク、地銀、第二地銀、さらには生損保、農林系、外国銀行までズラリと名を連ねる。これに多額の社債や保証債務が重くのしかかる。

 一方、リースや貸付金、投資有価証券などの営業資産は連結ベースで七兆円、営業貸付金は同三兆円を超えるまでに膨張。融資先といえば、不動産とともに「PHS(パチンコ、ホテル、サラ金)」といわれる極めてリスキーなもの。たとえば、〇六年三月末の単体ベースの営業貸付金は約一兆二千億円。大口貸付先はSPC(特定目的会社)、不動産、パチンコ、消費者金融が上位を独占、そのうちSPCがなんと約六割も占める。因みに、〇八年三月末の貸付金は不動産向け融資が約九千七百億円、消費者金融が約一千五百億円、そしてパチンコ向けは約三千五百億円にまで膨れ上がっている。多くのSPCを抱えたオリックスの貸し出し資産の傷みは容易に察しがつく。

 これら貸付金の規模やクオリティを見るにつけ、同社の投融資はあまりにもハイリスクといわざるを得ない。ところが、ほんの少し前までの 公表不良債権は約五百億円。「オリックスは経営実態に最も近いとして米国会計基準を採用してきたが、実態との乖離を指摘する向きもある」(大手証券アナリスト)。いずれにしても、SPCを含めた実情は公表数字よりもはるかに厳しいと見るべきだろう。

 こうした同社の経営リスクを端的に表しているのが、下落に歯止めがかからない株価。三月十日には、ついに二千四十五円とわずか二カ月で六割も下落。昨年六月の二万一千二百四十円から実に十分の一に下落したことになる。〇六年四月に付けた上場来最高値三万八千百五十円からの凋落ぶりは目を覆うばかり。

 今回の日本郵政の「かんぽの宿」騒動による施設の一括買収断念が象徴するように、政官財を味方にした強引ともいえる宮内流ビジネスに対する風向きは明らかに変わってきた。神通力に陰りが見え始めた規制改革の旗振り役・宮内氏は、最大の正念場を迎えている。


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